予防歯科の大切さ
虫歯や歯周病を予防することで、お口の健康寿命を延ばすことができます。
平均寿命が伸び続ける中、健康寿命もそれに合わせて伸ばしていくことで、年齢を重ねてからの「噛める・食べられる」楽しみと喜びを実現しましょう。
予防歯科に取り組んでいても、虫歯や歯周病になってしまうことがあります。体質、加齢、環境などに左右される虫歯・歯周病は、100%、完璧に防ぐことはできません。
それでも、予防歯科に努める、つまりは定期的に歯科医院を受診して、セルフケアの質を向上させていくことで「虫歯・歯周病になりにくいお口」を作ることには意味があります。できるだけ簡単な処置で治療を達成し、歯を多く残す、大きく残すことで、お口・歯がもともと持つ生命力を維持し、健康寿命を延ばすことができるようになります。
その他、治療費や通院回数・通院期間、そしてお口の自然な美しさという意味でも、年齢にかかわらず、予防歯科に努めることが大切です。
日本と世界(スウェーデン、ドイツ、アメリカなど)の予防意識の違い
アメリカでは、歯科医院を訪れる理由の半数近くが「歯科検診」、40%近くが「歯周病の予防」となっています。虫歯や歯周病の治療を目的として受診するのは、12%に過ぎません。対して日本では、約60%が「虫歯の治療」を目的として受診しています。
またスウェーデンでは、成人人口のうちの65~70%が一年以内に歯科検診を受診しています。日本では、こちらも50%程度に留まっています。
日本人の歯科予防の意識は高まりつつありますが、やはり歯科先進国と比べてまだまだ後塵を拝しているのが実情です
ただ、これは私たち歯科医療業界側の責任も多いにあると考えております。当院では、親身になってお話をお伺いし、患者様の今後の予防について一緒に考え、実践する歯科医院を目指しております。
どうぞお気軽にご相談ください。
「治療する場所」から「予防する場所」へ
歯科医院は、虫歯・歯周病の治療ができる場所であると同時に、予防のできる場所でもあります。
「歯科治療が必要ない」という口腔環境を整え、維持するためには、「定期健診+適切な歯磨き」が大切になります。
主な予防歯科の内容
大人の方向けメニュー
フッ素塗布
フッ素を歯に直接塗り、歯質を強化して虫歯を予防します。
PMTC
特殊な道具を用い、歯磨きでは除去できない汚れ・プラークを徹底的に除去します。歯の表面的な汚れも落とせます。
歯石除去
プラークが固まってできた歯石を、専用の道具を用いて除去します。
お子様向けメニュー
フッ素塗布
フッ素を歯に直接塗り、歯質を強化して虫歯を予防します。生え始めの歯にも安心して行うことができます。
シーラント
奥歯の溝を樹脂で埋め、歯磨きをしやすく、汚れを溜まりにくくします。
歯磨き指導(仕上げ磨き指導)
お子様ご本人への歯磨き指導だけでなく、保護者様に仕上げ磨きの指導もいたします。
自宅でできる予防方法
適切な歯磨き、オーラルケア
歯科医院で正しい歯磨き方法の指導を受けたら、自宅で実践です。デンタルフロス、歯間ブラシ、洗口剤などの併用で、効果を高めましょう。
うがい習慣
食後に歯磨きができないときには、うがいをする習慣を身につけましょう。歯の着色予防にもなります。
しっかり噛む
食事のとき、しっかり噛むことで唾液の分泌が促進され、虫歯・歯周病予防になります。昔と比べてやわらかいものを食べている私たちは、意識的に噛む回数を増やし、本来唾液の機能である自浄作用を働かせる必要があります。
キシリトール入りのガムを噛むのも良いでしょう。
歯の着色(黄ばみ・黒ずみ)を予防するには?
気になる歯の着色も、予防することが可能です。
色の濃い食べ物・飲み物を避ける
カレー、ミートソース、コーヒー、コーラなど、色の濃い飲食物は着色の原因になります。できるだけ避けるか、口にしたときにはすぐに歯磨きを。
食後の歯磨き
食事の後にすぐに歯磨きをすることで、着色を予防できます。時間がないときには、うがいだけでも効果があります。
優しい歯磨き
歯は、歯ブラシでも強く磨けば傷がつきます。そのときは着色が落ちたように感じるかもしれませんが、傷ついた歯面は“汚れが溜まりやすく”なり、また歯ブラシで“汚れを落としにくく”なります。
正しい歯磨きの仕方
丁寧に、優しく、小刻みに磨くことを意識しましょう。
ほとんどの方に、“力の入れ過ぎ”が見られます。鉛筆を持つように歯ブラシを持つと、適度な強さで磨けます。
歯に優しく歯ブラシを当てて小刻みに動かす作業を、1本ずつ丁寧に磨くつもりで繰り返していくと良いでしょう。