虫歯
虫歯の原因
虫歯の原因となるのは“虫歯菌”です。ミュータンス菌がよく知られていますが、他にも10種類ほどが確認されています。
痛みをはじめとする症状
虫歯のよく知られた症状は「痛み」ですが、他にも以下のような症状を伴います。
- 冷たいものがしみる
- 熱いものがしみる
- 歯が黒くなっている
- 歯が白く濁っている
- 口臭が強くなった
- 歯ぐきが腫れている
虫歯の進行
CO
歯に穴が空く直前の段階です。フッ素塗布と適切な歯磨きで、削ったりせずに治すことが可能です。
自覚症状がないため、定期健診などで歯科医・衛生士に見つけてもらう必要があります。
C1
エナメル質に穴が開いた段階です。基本的に、虫歯部分を削って治療する必要があります。
まだ、自覚症状はありません。
C2
虫歯が象牙質にまで達した段階です。削ったり、詰め物をして治療します。
甘いもの、冷たいもの、強く噛んだときなどに痛んだりしみたりします。
C3
虫歯が歯髄(神経・血管)にまで達した段階です。根管治療が必要になることもあります。根管治療を行う際には、通院回数も多くなります。
熱いものがしみたり、何もしなくとも強い痛みを感じるようになります。
C4
歯の大部分が溶け、根っこだけになった状態です。根管治療で歯を残すこともできますが、抜歯しか選択肢がない場合もあります。
虫歯を放置する影響
虫歯は、放置するほど治療が難しくなります。根管治療を行うとなると、通院回数は多く、通院期間は長くなり、患者様にも大変なご負担を強いることになります。
また、最悪の場合には抜歯以外に手段がない、ということになります。見た目の問題だけでなく、噛みづらい・喋りにくいといった日常生活での不都合、他の歯の健康の阻害にもつながりますので、症状を感じたときには、お早目にご相談ください。
虫歯の治療
ごく初期(C0)であれば、フッ素塗布や適切な歯磨きで虫歯を治すことができます。
それ以降の場合には、基本的に歯を削った上で詰め物や被せ物を取り付ける治療が必要になります。また、歯髄が侵されていれば根管治療が行われます。
抜歯に至った場合には、その機能と見た目を回復させるための「入れ歯」「インプラント」「ブリッジ」などの治療も必要になります。
根管治療が必要となるケース
歯髄にまで虫歯が達している場合には、歯髄を取り除いて洗浄・殺菌・薬剤充填をする「根管治療」を行います。
虫歯の予防
虫歯の予防には、定期健診と歯磨きの質の向上が大切です。歯周病と合わせて、歯を失う原因となる虫歯を効率的に予防しましょう。
歯周病
危機感を持った対処が必要
歯周病菌、炎症から産生される物質は、血液に乗って全身に運ばれ、さまざまな悪影響を及ぼします。
歯周病が引き起こす病気・症状には以下のようなものがあります。
- 糖尿病
- 動脈硬化
- 脳梗塞
- 心筋梗塞
- 狭心症
- 心内膜炎
- 誤嚥性肺炎
- 早産・低体重児出産 など
歯がぐらつく、抜けるといった症状も甚大ですが、その他にも全身疾患とのかかわりがあることを認識し、危機感を持った治療・予防が大切です。
歯周病の進行(軽度~重度)
軽度
歯周ポケットがやや深くなった状態です。出血、膿、口臭などの症状が現れることがあります。
すでにこの段階で、顎の骨は溶け始めています。
中度
歯周ポケットがさらに深くなり、顎の骨がはっきりと溶けている状態です。歯のぐらつき、歯ぐきの下降などの症状を伴うことがあります。
重度
顎の骨が、歯の根の半分以上溶けている状態です。咀嚼に影響が出るほどの歯のぐらつきを伴います。噛んだときの痛みも見られます。
放置していると、最終的に歯は脱落します。
歯周病の原因
歯周病の原因は、プラークに潜む歯周病菌です。
プラークの付着そのものは避けられません。食後に正しい歯磨きを行ったり、定期的に歯科医院でプラーク、歯石を除去することで、歯周病を予防・改善できます。
また、歯ぎしりや食いしばり、喫煙、ストレス、糖尿病、不規則な生活習慣なども、歯周病のリスク因子となります。
歯周病が原因で起こる口臭
強い口臭も歯周病の症状の一つです。ビジネスシーンなどで会話をするような距離でにおう場合には、歯周病を含めた口腔トラブルを疑う必要があります。
歯周病はうつる?
歯周病は感染症です。キス、歯ブラシの共用などでうつります。ただ、そこで歯周病菌が繁殖するかどうかは、その人の口腔環境や免疫力によって異なります。
少なくとも、歯ブラシの共用は避けた方が良いでしょう。
歯周病のセルフチェック
下記のうち、3つ以上チェックが入った方は、歯周病が進行している可能性が高いと言えます。
- 起床時に口内のネバつきがある
- 歯磨きのときに出血する
- 口臭が気になる、指摘された
- 歯ぐきがむずむずする、痛い
- 歯ぐきが赤く腫れている
- 硬いものを噛めなくなった
- 歯が長くなったように見える
歯周病の治療
プラークをできるだけ少ない状態にし、維持するため、歯磨き指導とSRP(スケーリング・ルートプレーニング)が基本となります。SRPとは、歯科医院で、専用の器具を用いてプラーク・歯石を徹底的に除去する治療のことです。
改善が見られない場合には、歯ぐきに切開を加えて歯周ポケット内部のプラーク・歯石を除去するフラップオペなどの外科的治療が必要になります。
歯周病の予防
歯周病は、適切な歯磨きと、予防歯科による予防が可能です。
適切な歯磨き
ご自身に合った歯磨きを歯科医院で学び、ご自宅で実践しましょう。食事の後、あまり時間を置かないことも大切です。また、フロスや歯間ブラシ、洗口剤の併用も有効です。
予防歯科
PMTCや歯石除去などで、プラーク・歯石の量を減らしましょう。歯石には小さな穴が無数にあり、歯周病菌にとって絶好の住処となります。